前回の続き

イラストのように歌口のエッジを削り尖った加工ししたリスクとはなんでしょう?

 

そもそも、皆さんはどうしてオカリナは音が鳴ると思いますか?
(色々なことを省いて)簡単に説明しますと、吹いた息が歌口のエッジにに当たって上のイラストのように割れます。この息の割れる動作で音が鳴るんですよ。つまり、エッジは楽器を製作する上で最も大切な心臓部ともいえる箇所であるということです。

だから、音色のためには絶対に研究する必要のあるんです!!!

SUELABOが全国的にはまだ知名度のない小さな工房ですが、どこよりも自信を持って言えることはこの箇所の数年かけて研究(試験と検証)を行ったことで、どうしたら良い音の鳴るオカリナになるのか知っているからです。だからアタリ・ハズレのないオカリナが作れる。子供たちが小学校で習うリコーダーと同じように、同じ音色の鳴るオカリナが作れるんですよ。

 

話がちょっとそれましたね、ゴメンナサイ。戻します。
下のイラストはセラリーナの歌口を上から見て図(イメージ)です。

歌口にエッジ(緑色の箇所)には些細な欠けがあります。見た目にはほぼわからないレベルです。この場合、以前書いた記事(歌口は繊細な箇所)にあるように、突起や欠けに吹いた息が当たるため雑味のある音色になることが多くあります。

ですがエッジが尖っている場合、音色に影響を及ぼす確率がものすごく高まります。
中でも起きやすい影響は、例えるなら“風が強い日に窓が微かに空いている際に聞こえる音”の「ヒュー」という音です。この雑音は、高音に近づくほと大きくなります(高音は吹く息が強くなるため、雑音も大きくなります)。とても耳障りな雑音だといえます。

 

エッジが尖るデメリット

 

今回記載した事例はエッジの箇所に見えないレベルの欠けがあった場合ですが、その他にも起こる要因はたくさんあります。製作工程でどんなにキレイに仕上げたとしても、乾燥の過程や焼成を経てできる粘土の微妙な変化への対応は至難なんです。

このように、エッジが尖らせると音色は澄んだ音になる反面、デリケートになります。「諸刃の剣」であるといえます。
SUELABOでは、“そうしなければならない理由”がない限りエッジを尖らせる加工は行いません。

“そうしなければならない理由”については、SUELABOが追い求める「音の質」の話題になった際に記載したいと思います。

 

つづく