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SUELABOが様々なオカリナを吹いて検証してみると大きく分けて3つの「息づかい」の楽器に分類されます。

続きはここから。

 

スエラボでは、オカリナ/セラリーナの息づかいは、

1、低い音→高い音までの息づかいが、やさしい息から徐々に強くしていくオカリナ  で製作することにしました。

 

オカリナのピッチ

 

ちなみに・・・

2、低い音→高い音までの息づかいが、低音から強い息を吹き込む必要があり、高い音になるにつれさらに強く吹く必要のあるオカリナ

この息づかいでピッチを合わせた場合、間違いなく高音のド・レ・ミ・ファはかなり強い息を吹き込む必要があります。子供や女性の方が演奏する上で吹くにはあまりにも大変です。特に、高音のド・レの音は楽譜では頻繁に出てきますので、お子さんであれば、音程がズレて演奏をし続けるでしょうし、女性の方であれば、例えば数人で演奏を合わせた際に「あれ?なんか音が違う」なんてことが起こるでしょうね。

一方で製作者から申しますと、この息づかいのオカリナ製作はとても簡単です。「息を強く吹けば良い」という前提であれば高温域は穴を大きくする工程をメーンに据えて幾つかの加工をするだけでよいので、さほど苦労することはありません。でも音色はいまいちです。音と一緒に息の「ヒュー」という音も混じるのでキレイな音ではありません。スエラボではこの妥協を良しとはしませんでした。

 

 

3、低い音→高い音までの息づかいが、低音から徐々に強くしていくのではなく、音に合わせて息を調整する必要があるオカリナ

この息づかいのオカリナはそもそも初心者には無理です。「楽器に合わせて・・・」なんてことができる初心者はいません。お子さんや女性の方でも同様です。演奏をしながら「ん?この音だけ息を強めにしないとピッチがズレるな」なんてわかる人は中級者以上です。息づかいを音によってコントロールすることは本当に難しいことです。

製作者から申し上げますると、こういうオカリナが最も製作するのが簡単です。焼成後の調律を甘めにできますし「楽器に合わせてください」と言えますので。

 

 

 

プロの演奏者の方々が「オカリナが楽器店で試し吹きをしてから購入しましょう」と呼びかけるのは、吹いてみないとそのオカリナ(楽器)が自分に合うか合わないかということもありますが、こういう違いがオカリナに存在するからです。別に悪い訳ではなく自分に合うか合わないかという点を確かめる必要があるからです。

SUELABOでは、1、低い音→高い音までの息づかいが、やさしい息から徐々に強くしていくオカリナ で製作することにしました。その理由はお子さんや初心者、女性にとってやさしい、つまりは演奏しやすい楽器であるという点。そして、既に世の中にあるリコーダーと同じ息づかいにする点の2点を目指すからです。なぜリコーダーの息づかいを目指すのか?それはリコーダーが本当にやさしい息で音が鳴るからです。「音が出る」のではなく正に「音が鳴る」楽器だからです。

SUELABOが目指すは「音が鳴る」オカリナ/セラリーナです。

 

さぁ、前提が決まりました。

話を戻しましょう。

これで息づかいの前提を決めましたので、実験を開始することにしました。8mm、7mm、6mmで歌口の大きさを変えて試作を作り始めました。

 

つづく