前回まで記事で書きました、オカリナ(orセラリーナ)製作する上で難しい高音ランキング1位(※SUELAB視点)である「レ→ミ」、特に「ミ」の音だと記載しました。

それでは、SUELABOではどのように「ミ」の音を出すための加工をしているのか。
どのように今の加工に至ったのか経緯を書きながら書きたいと思います。

それでは、先ず復習です。
「ミ」の穴の位置は下のイラストになります。

オカリナとセラリーナの裏面

 

先ず、「ミ」の穴を大きくすることから挑戦してみました。下のイラストは穴の断面図です。形状はずんどう型です。

 

 

「ミ」の音が出るまで穴のサイズを大きくしていきました。実際、14mmくらいまで大きくしてミの音が鳴るようにはなりましたが、決してキレイな音ではありませんでした。

なぜでしょう?

上のイラストを見ても分かるように、穴を大きくするということはそれだけ外にでる息の量も増えます。

 

 

高音『ミ』に限らず、音程を高くするための最も簡単な方法は「穴を大きくする」ことです。
穴を大きくすれば音は上がりやすくなります。その一方でデメリットもあります。

デメリット① 穴を大きくしすぎると女性や子供では押さえられない。

デメリット② 息を強く(息のスピードを速く)吹く必要があるため肺活量のない女性や子供では音が出しにくい。

スエラボの理念は、「子供や女性、そして初心者が安心して吹ける楽器をつくる」ことです。そのため「穴を大きくする」方法を“いつでも”採用してしまうと理念に反してしまうことがあります。製作当初はその課題の壁にぶち当たり、本当に苦労ました。

“いつでも”と記載したのは、スエラボでは穴のサイズの限界値を決めているからです。その基準値内でミの音が出るようにすため、様々な加工を施しています。

それらの加工にたどりつくまでにスエラボでは様々な形で試作を作り実験を行いました。

それについて少しづつ記載したいと思います。

 

つづく